
秋の企画展
「百鬼夜行へようこそ! 絵巻からおもちゃまで」
期間:令和5年9月7日(木)~12月12日(火) ※10月5日(木)、10月26日(木)、11月23日(木・祝)から一部展示が変わります。
妖怪たちが闇のなか、ぞろぞろと練り歩く様子をさす言葉、《百鬼夜行》。《百鬼夜行》をテーマとする作品は、絵巻がよく知られていますが、それ以外にも、屏風や錦絵などの美術品から、着物や皿などの日用品、さらにはおもちゃまで、大きな広がりを持っています。本展では、《百鬼夜行》に関する作品をさまざまなジャンルから集め、その幅広い世界をご紹介します。
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第1章 絵巻のなかの《百鬼夜行》
《百鬼夜行》という言葉を聞いて、真っ先に思い出されるのが、「百鬼夜行絵巻」ではないでしょうか。「百鬼夜行絵巻」やそれに類するタイトルで呼ばれる作品は、現在知られているだけでも、80本以上が存在しています。絵師たちは、基本的にはお手本を写しながらも、妖怪の順番を入れ替えたり、または全くオリジナルの妖怪を加えてみたり、《百鬼夜行》を多彩に表現しました。
「百鬼夜行絵巻」(部分) 江戸時代 合同会社AMA蔵
【展示期間:通期 ※場面替えあり】
第2章 あれもこれも《百鬼夜行》
《百鬼夜行》は絵巻にとどまらず、掛け軸や屏風、あるいは着物など、さまざまな作品にモチーフとして取り入れられました。本章では、大型、縦型、あるいは円型など、さまざまなかたちの画面に展開する《百鬼夜行》の世界をご覧いただきます。さらにディープな《百鬼夜行》の世界に、足を踏み入れてみましょう。
「百鬼夜行図皿」明治時代以降 当館蔵
【展示期間:通期】
第3章 《百鬼夜行》のチカラ
浮世絵師らが描いた風刺をこめた錦絵では、不安な社会を生み出す元凶として、権力者たちが妖怪の群れに見立てられていました。さらにもう一方で、権力者に反発する側の人々も、《百鬼夜行》になぞらえて描かれます。これら痛快な《百鬼夜行》のパロディは、時代の転換期にあって、多くの人々に力を与えました。
「源頼光公館土蜘作妖怪図」歌川国芳 天保14(1843)年 大判錦絵3枚続 当館蔵
【展示期間:9月7日~10月24日】
第4章 《百鬼夜行》、妖怪たちの楽園
“《百鬼夜行》は近代以降、おもちゃ絵や玩具など、遊びのなかに生き残っていました。平安貴族の抱いた恐怖と、おもちゃへのときめき、現代の《百鬼夜行》には、それらが両立し、複層的なテーマとなっています。だからこそ、《百鬼夜行》は人々を惹きつけ続けているのかもしれません。
「百鬼夜行納札」(部分) 明治時代以降 当館蔵
【展示期間:通期 ※場面替えあり】
※展示資料はすべて当館蔵。

常設展示「日本の妖怪」
人知を超えた自然現象に対する畏怖や、心の不安から生み出されてきた妖怪。絵画や書籍、日用品、玩具などから、妖怪が人々の生活に密接に関わってきた様子を紹介します。

常設展示「稲生物怪録」
江戸時代の三次を舞台とした妖怪物語《稲生物怪録》。本や絵巻を中心に、実在した主人公とその歴史背景、伝播し続ける物語の魅力を紹介します。
チームラボ 妖怪遊園地紹介
描いた妖怪がスクリーンで動きだす、インタラクティブな作品を体験しながら学べる空間。
妖怪の存在をより身近に、面白く感じることができます。

お絵かき妖怪とピープル
teamLab, 2019, Interactive Digital Installationこの草原は、みんなの描いた妖怪たちとピープルが集まる広場です。紙に自由に、妖怪たち(河童、天狗、人面)やピープル(男の子や女の子)を描きます。すると、描いた絵に命が吹き込まれ、目の前の巨大な草原で歩き出します。 妖怪たちやピープルに触ると、びっくりして、様々なアクションをとります。

妖怪が住まうテーブル
teamLab, 2019, Interactive Digital Installationこのテーブルは、小人たちと妖怪たちが住んでいるテーブルです。小人たちはテーブルの中で走り回っていて、こちらには気付きません。しかし、テーブルの上に手を置いたり物を置いたりすると、気付いて、飛び乗って来ます。小人たちと遊んでいると、妖怪たち(カエルつづら、九尾の狐、五日市の雷獣)が現れて一緒に遊びだします。

妖怪カメラ
teamLab, 2010-, Interactive Installation「妖怪カメラ」は、サイネージで自撮りするカメラです。妖怪に囲まれたり、『稲生物怪録』のように様々な妖怪に驚かされたり、撮影者が河童に変身していくなど、撮影を楽しみながら妖怪を知るきっかけとなるオリジナルフレームで撮影することができます。撮影後はダウンロードしてSNSにシェアすることもできます。


エントランスホール
デジタル妖怪大図鑑
大画面でたくさんの妖怪を体感できるギャラリーです。大型タッチモニターには、空間いっぱいに次々と妖怪が現れ、前を通過する来館者に反応して興味を惹きます。気になる妖怪の写真にタッチして詳細を見たり、妖怪の種類や生息する場所、姿形などを選んで、関連する妖怪を次々に見ていくことで、新しい発見と学びを生み出します。