
春の企画展
「ニッポン妖怪の旅 物語の舞台をたずねて」
期間:令和5年3月9日(木)~6月13日(火)
※4月27日(木)から一部展示が変わります。
三次を舞台にした「稲生物怪録」をはじめとし、京都の「変化物語」、鹿児島の「大石兵六物語」など、日本には土地に根ざしたいくつもの妖怪物語があります。本展は所蔵品から主に妖怪物語絵巻の優品を展示し、江戸時代の日本を旅するように物語の舞台をめぐるストーリー仕立ての展覧会です。これから日本を旅するみなさまへ、妖怪を通した新たな楽しみ方を提案いたします。
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一、出立 ~旅じたくは妖怪と~
今回の旅の行先は、備後(現在の広島県)、丹後(現在の京都府)、薩摩(現在の鹿児島県)。3つの妖怪物語の舞台をたずねます。私たちも早速、旅じたくにとりかかりましょう。今回の旅のテーマは“妖怪の旅”ですから、旅に欠かせない諸道具には、妖怪のあしらわれたものをご用意しました。楽しく、心強い味方として旅のあいだ、私たちを助けてくれるはずです。

「妖怪図印籠」 江戸時代以降
【展示期間:通期】
二、旅路 ~妖怪物語の舞台へ~
まずは地元・備後の三次からたずねていくことにいたしましょう。《稲生物怪録》は、30日間の妖怪騒動を主題にした物語です。2番目の目的地は、《変化物語》の舞台、丹後。この物語は、屋敷を追い払われた狐が仕返しをするというストーリーです。
旅はさらに九州の南端、薩摩の《大石兵六物語》の舞台へ。失敗つづきの狐退治の物語は、滑稽ながらも勇気をもらえる傑作です。

「百物語絵巻」(稲生物怪録)部分 明治4年 林熊太郎
【展示期間:3月9日~4月25日 ※後期は別場面を展示】

「狐の草子絵巻」(変化物語)部分 江戸時代
【展示期間:3月9日~4月25日 ※後期は別場面を展示】

「二才絵巻」(大石兵六物語)部分 江戸時代
【展示期間:4月27日~6月13日 ※前期は別場面を展示】
三、寄り道 ~妖怪にさそわれて~
3つの妖怪物語の舞台は、いかがでしたか?もっと見たい、行きたい!そんなみなさまに、ちょっとした寄り道もご案内します。妖怪にさそわれるままに、足をのばしてみるのはいかがでしょう。街道や宿場にも妖怪スポットがたくさん!この旅を通じてみなさまは、【妖怪大国ニッポン】を実感されることでしょう。妖怪づくしの旅を、最後までどうぞお楽しみください。

「ばけもの絵巻」部分 明治時代
【展示期間:4月27日~6月13日 ※前期は別場面を展示】
四、帰着 ~おみやげに妖怪はいかが~
“妖怪の旅”のしめくくりは、やっぱり妖怪で。江戸時代にも、旅先でその土地の産物を買い求め、持ち帰ることは行われており、現代の私たちと同じように、おみやげ選びは旅の楽しみのひとつだったようです。旅を終えてもどったあとも、持ち帰った妖怪みやげはあなたの日常にそっともぐりこみ、刺激的な思い出をよびおこしてくれることでしょう。

「大津絵 頼光」 江戸時代
【展示期間:通期】
※展示資料はすべて当館蔵。

常設展示「日本の妖怪」
人知を超えた自然現象に対する畏怖や、心の不安から生み出されてきた妖怪。絵画や書籍、日用品、玩具などから、妖怪が人々の生活に密接に関わってきた様子を紹介します。

常設展示「稲生物怪録」
江戸時代の三次を舞台とした妖怪物語《稲生物怪録》。本や絵巻を中心に、実在した主人公とその歴史背景、伝播し続ける物語の魅力を紹介します。
チームラボ 妖怪遊園地紹介
描いた妖怪がスクリーンで動きだす、インタラクティブな作品を体験しながら学べる空間。
妖怪の存在をより身近に、面白く感じることができます。

お絵かき妖怪とピープル
teamLab, 2019, Interactive Digital Installationこの草原は、みんなの描いた妖怪たちとピープルが集まる広場です。紙に自由に、妖怪たち(河童、天狗、人面)やピープル(男の子や女の子)を描きます。すると、描いた絵に命が吹き込まれ、目の前の巨大な草原で歩き出します。 妖怪たちやピープルに触ると、びっくりして、様々なアクションをとります。

妖怪が住まうテーブル
teamLab, 2019, Interactive Digital Installationこのテーブルは、小人たちと妖怪たちが住んでいるテーブルです。小人たちはテーブルの中で走り回っていて、こちらには気付きません。しかし、テーブルの上に手を置いたり物を置いたりすると、気付いて、飛び乗って来ます。小人たちと遊んでいると、妖怪たち(カエルつづら、九尾の狐、五日市の雷獣)が現れて一緒に遊びだします。

妖怪カメラ
teamLab, 2010-, Interactive Installation「妖怪カメラ」は、サイネージで自撮りするカメラです。妖怪に囲まれたり、『稲生物怪録』のように様々な妖怪に驚かされたり、撮影者が河童に変身していくなど、撮影を楽しみながら妖怪を知るきっかけとなるオリジナルフレームで撮影することができます。撮影後はダウンロードしてSNSにシェアすることもできます。


エントランスホール
デジタル妖怪大図鑑
大画面でたくさんの妖怪を体感できるギャラリーです。大型タッチモニターには、空間いっぱいに次々と妖怪が現れ、前を通過する来館者に反応して興味を惹きます。気になる妖怪の写真にタッチして詳細を見たり、妖怪の種類や生息する場所、姿形などを選んで、関連する妖怪を次々に見ていくことで、新しい発見と学びを生み出します。